子供の英会話スキルは、自宅学習でも身につけられるでしょうか。
2020年から英会話の授業が小学校でも始まりました。今回の学習指導要領改定*では子供の外国語能力の向上を目標として掲げていることから、今後ますます英会話スキルの重要性は高まることが予想されます。
※ 参考:文部科学省 平成29・30・31年改訂学習指導要領

「英会話は早く始めた方がいいと聞くけど、共働きで英会話教室への送迎ができない。」

「自宅学習で本当に英会話力が身につくのか心配。」
親の不安は尽きません。
そこで今回は、自宅で子供に英会話を学ばせるメリットと注意点、そして最適な教材の選び方を解説します。
目次
子供の英会話学習を自宅で行うメリットと注意点
子供の英会話学習を自宅で行うメリットは、子供の特性に合わせたオーダーメイド学習を、親の管理下で進められることです。
自宅かつ親がそばにいることで、子供は安心して英会話学習を進められます。
ただし子供の自宅での英会話学習を成功させるためには、綿密な時間管理と、学習を継続できる仕組みの構築は欠かせません。
メリット
子供の英会話学習を自宅で行うことが子供にもたらすメリットには次のようなものがあります。
・親と一緒に遊びながら英会話を学べる
・英会話スキルや特性にあった英会話学習ができる
・英会話に好印象を持ちやすい
子供にとって親と過ごす時間は至福の時です。安心できる自宅で楽しく英会話学習できれば、子供は英会話が楽しいものと認識します。英会話の楽しさを知ることは、学力向上に欠かせません。
自宅学習であれば子供の年齢や性格、得意不得意を見極めたオーダーメイドの英会話レッスンが実現します。苦手を克服しながら得意を伸ばした成功体験は、子供の自信を育むうえで重要です。
また親にとっては、このようなメリットがあります。
・送迎の負担がなく続けやすい
・教材を選べる
・親の教育方針に合わせた指導ができる
子供向け英会話教室は日中の時間帯に開講されるケースが多く、共働き家庭では送迎が難しいのが難点です。英会話教材を取り寄せて自宅学習すれば、時間や場所を問わず子供に英会話を学ばせる機会が持てます。
親が子供の学習状況を把握できるので、苦手な部分を繰り返して学ばせることも容易です。共働きで忙しい家庭であっても、自宅学習を選択することで子供に英会話学習の機会を与えられます。
デメリット
子供の英会話学習を自宅で行うデメリットには次のようなものがあります。
・コンスタントに続けるのが難しく挫折しやすい
・親の負担が増える
・お友達や先生といった他者と人間関係を構築する機会が減る
通学すれば決められた時間に必ず英会話学習する時間を確保できます。一方の自宅学習ではフレキシブルに学習時間を調整できる反面、自己管理を求められるのがデメリットです。自宅での英会話学習の時間を確保する努力が欠かせないので、親の負担が増えます。
また通学して英会話学習すれば、お友達や先生といった親以外の人々との接点ができます。自宅では親とのマンツーマンの関係に止まり、他者との関係を構築する機会が減るのもデメリットです。親に対しては子供も甘えが出ます。先生と一緒に学ぶ時よりも集中力を欠き、真剣に取り組めないために学習進度が遅くなる可能性も考えられます。
デメリットを補うために、以下の点に注意して自宅学習を進めましょう。
・学習計画を取り込んだ生活設計
・子供が楽しく学べる工夫とサポート
英会話学習はコンスタントに続けることが成功のカギです。日々の暮らしを見直し、継続的に英会話学習する時間を確保するための努力は欠かせません。隙間時間も活用しやすいように、すぐに手の届くところに英会話教材を置くとよいでしょう。
また自宅で子供が英会話学習する時、親はサポートに徹してください。子供の理解度が低かったり、学習進度が思うようにならなくても、感情的にならないことが大切です。子供が楽しい遊びの中で英会話に親しめる環境を整えてください。
子供の自宅での英会話学習を成功させるコツ
自宅で子供に英会話学習させる際のポイントは5つあります。
・親は子供のサポーター
・アウトプット
・子供から教わる
・明確な目標と学習計画
・繰り返しと継続
あくまで子供が英会話学習というステージの主役になるように、親は一貫して縁の下の力持ちに徹することが必要です。
親は子供のサポーター
親が先生にならないことは、子供の自宅での英会話学習を成功させるために大切な心得です。
『昨日やったばっかりなのに、なんで覚えてないの!?』
『うちの子は覚えが悪いのかも、、?』
と思いイラッとしてしまう。
子供に学習させていると、ついカッとなることも少なくありません。自分の子供のことで冷静であり続けるのは至難の業です。
しかし親はどんな自分でも信じてくれていると感じることが、子供の心を育み、知能の成長を育みます。思わず怒りそうになったら、子供を抱きしめてあげましょう。子供の将来を案じるあまり焦っていた気持ちが落ち着きます。
親が疲れ切っていては、英会話の自宅学習は成功しません。自宅で学べば、休憩のタイミングも自由自在です。頑張りすぎないことを頑張りましょう。
アウトプット
母国語以外の言語を習得する際は、インプットとアウトプットの両方を行うことが重要です。これは1991年にアメリカの言語学者であるマイケル・H・ロング氏が発表した論文からも明らかになっています。
第二言語の学習においてインプットと対話を通してアウトプットすることはそれぞれ異なる影響を及ぼす可能性があるとわかっています。そしてそのいずれもが第2言語学習の過程において重要です。
引用元:マイケル・H・ロング氏が提唱した「インタラクション仮説(相互交流仮説)」より
英会話を子供が学習したら、自宅で遊びながらアウトプットさせる習慣をつけてください。
例えば、自宅にあるものを英語で表現したり、自分の気持ちを英語で表現したり。こうして生きた英語の使い方を体験することは、学習した英会話スキルの定着を促します。この時の親は、子供の努力をしっかり誉めてください。
自宅で学んだ英会話が身につき、それを親に褒められた記憶は、子供にとってかけがえのない成功体験です。
英会話は楽しいと感じれば、英会話学習への意欲の増強にも繋がります。
子供から教わる
アウトプットの一環で、その日に学習した英会話の内容を親が子供から教わるのも有効です。
誰かに教えることで、学んだ物事を論理立てて理解することができます。受け身に学ぶのと同時に主体的に考え発信するこの姿勢は、文部科学省が新しい学習指導要領の考え方のなかで示したアクティブラーニングを自宅で実践することでもあります。
他者との協働や外界との相互作用を通じて,自らの考えを広げ深める,対話的な学びの過程が実現できているかどうか
引用元:文部科学省
明確な目標と学習計画
自宅で英会話学習する際は、明確な目標設定の元に学習を進めることが大切です。英会話スクールでは具体的にどの時期までに何文字の英単語を習得するかのゴールを定め、そこから逆算してカリキュラムを作成しています。
自宅で英会話学習する際は、親が設定した目標から逆算して学習計画を作成してください。学習計画の作成には手間がかかります。
しかし子供のことを一番知っている親だからこそ、最適なオーダーメイドの目標と学習計画を立てられるのは大きなメリットです。
自宅での英会話学習の効果を最大化できるか否かは、目標設定と学習計画が握っています。
幼児期の語彙力は700~2500語程度
英会話学習では語彙力が重要です。英語を母国語として話す子供の語彙数は、3.8歳で700語、5.5歳で1,528語、6.5歳で2,500語とされています。子供の年齢と、いつまでにどのくらいの英会話スキルを習得させるのか目標を立て、そこから逆算して学習計画を作成してください。
このとき会話に特有の表現も一緒に覚えると、より英会話スキルが高まります。
英語を母国語として話す子供の語彙数は、3.8歳で700語、5.5歳で1,528語、65歳で2,500語ということである。
引用元:4歳から6歳の英語
繰り返しと継続
自宅での英会話学習のポイントは、「繰り返し」と「継続」です。
母国語以外の言語学習を困難にする原因は、使う機会が少ないために忘れてしまうことだと言われています。
そのため決めた時間と曜日で必ず英会話学習すると同時に、隙間時間も活用してください。
外出時の移動時間や家事をする間で、子供とのコミュニケーションを兼ねて目についた物を英単語で表現したり、英語で会話してみたり、遊びの中で反復学習してみてください。
子供に英会話を自宅で教える方法と選び方
自宅で子供に英会話を教える教材には、絵本やCD、DVDの他、アプリなどさまざまな種類があります。それぞれの特徴と共に、選び方のポイントを紹介します。
自宅でできる子供向け英会話学習の教材
・絵本
語学を学ぶ際に聴覚と視覚を同時に使うと理解が促進されることは研究からも分かっています。親が読み聞かせる物語の絵を目で追うことで、子供はリラックスしながら深く絵本の世界に没頭します。
子供と一緒に英語を口にすることでインプットしながらアウトプットもできるので、より深く英語の世界に親しむことも可能です。

「子供の時に読んでもらった絵本のこと、大人になった今も覚えているかも!」
また読み聞かせは子供の感性の育成や情緒の安定にも大きな影響をもたらすことも分かっています。
・CD・DVD
英会話のCDは、親が読み聞かせしなくても英語を耳からインプットできる便利な教材です。遊分時間のBGMに英会話のCDを使う聞き流し学習もよいでしょう。またDVDでは動画を活用しているため、絵本よりさらに強く子供を引きつけます。
CD・DVD教材共に、英会話をインプットするのに適しているため、アウトプットの時間を加えるとより一層高い学習効果が期待できます。
・アプリ
ゲーム感覚で英会話に親しめるアプリは、子供が自宅で楽しみながら英会話を学ぶために適した教材です。スマートフォンやタブレット端末に任せて、親は自分の仕事もできます。

「子供が小さいうちからスマホやタブレットを使うのはよくないって聞くけど・・・。」
子供のデジタルデバイス利用については、ネガティブな意見も多く見受けられます。
しかし実際は賛否両論です。使用する時間が長くなりすぎないようにコントロールすれば、ポジティブな効果も期待できるとも言われています。アプリは時間を決めて使用するのがよいでしょう。
またアプリには、子供の英会話学習の教材の他に、自宅で子供の学習をサポートする親を支援するものもあります。
ミントリーフ・オンラインスクール(MOS)は、各分野の専門家から子育てノウハウを学びながら子育ての悩みを共有・解決できる「子育てオンラインスクール」です。子供に自宅で英会話を学ばせる中で親が感じる不安を、専門家からのアドバイスや同じ立場の親等との情報共有を介して解消できます。
親の心理状態は子供にも影響します。しかしいつも笑顔で子供に接したいと思っていても、子育てに不安や心配事はつきものです。1人で抱え込まず、ミントリーフ・オンラインスクールのアプリで繋がりを構築し、子供と過ごす貴重な時間の喜びを増幅させましょう。
英会話の教材を選ぶポイント
子供の英会話学習を自宅で行うときは、教材選びも重要です。
子供の年齢や興味の対象に合わせると同時に、教材選びに際して考慮したい要素がこちらです。
・子供が興味を持つ色やイラストが使われている
・音声や音楽を使ったもの
・聴覚と視覚を同時に使う
・体を動かせる
子供に英会話の楽しさを伝えるために、遊びの要素をふんだんに取り入れた教材を選んでください。明るい色彩で、子供が好きなイラストやキャラクターを使用したものも興味を引きます。
聴覚と視覚を同時に刺激する学習法は、語学学習スキル習得に有効*1と言われています。
さらに体を動かすことで非認知能力が高まり、英会話スキルの習得も促進*2されることが分かっています。
「子供と一緒に自宅で英会話しながら体を動かして運動不足もストレスも解消!」自宅での英会話学習が楽しい遊びの一環になるような教材を選んでください。
※1 引用元:American Psychological Association ※2 引用元:文部科学省
まとめ
子供の英会話学習を自宅で行えば、家庭の方針や子供の成長速度に合わせた、オーダーメイドの学習で英会話スキルを効率的に習得できます。
ただし頑張りすぎは禁物。子供と密に接するからこそ、親自身の心身のケアも含めた無理のない学習計画を立ててください。子供によって成長速度は違います。すぐに英会話学習の効果が感じられないこともあるでしょう。
しかし親と一緒に過ごした楽しい記憶は生涯に渡って子供の心を支えます。いつ芽を出すかわからない種も、植えなければ花は開きません。まずは種を植えて水をやり続けることが大切です。
自宅での英会話学習を通して、子供の豊かな知性と感性の芽生えをじっくり見守ってください。
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